941可愛い奥様2019/06/10(月) 20:47:22.36ID:sGsufNtV0>>950
「殉愛」p193〜
(2012年)
九月二十六日、安倍晋三が自民党総裁選で逆転勝利したというニュースがテレビで流れた。それを
見たたかじんは快哉の声を上げた。
「とにかくお祝いや!」そう言うと、お気に入りのワイン「オーパスワン」を開けた。ウイスキー
や焼酎は禁じられていたが、ワインは飲んでもいいと許可が下りていた。しかしさくらが酒を飲ま
ないので、自宅にいるときは一滴も飲まなかった。このときはあまりに嬉しくて、一人で祝杯を挙
げたのだ。
彼はワイングラスを傾けながら、安倍晋三がいかに素晴らしい政治家であるかを延々と語った。「
あの人ほど、日本の将来を真剣に考えている政治家はおらん。この人を失ったら、日本は終わりや

たかじんは、安倍が二〇〇七(平成十九)年九月にわずか一年足らずで総理の座を降りたときから
、「必ず復帰してほしい」とエールを送り続けていた。世間が一斉に安倍晋三を非難しているとき
も、敢然と彼を擁護し、「たかじんのそこまで言って委員会」に何度も呼び、彼の熱い想いを番組
で語らせた。二〇一〇(平成二十二)年十二月には、番組のロケで一緒に山口県の俵山温泉に行き
、文字通り裸で語り合った。
安倍はこの温泉の思い出を、私に熱く語った。
「たかじんさんとは幹事長時代に初めてお会いしたんですが、このとき、いつか温泉に行きましょ
うと言ってくれたんです。ただ幹事長、官房長官、総理の時代は多忙のために行けませんでした。
でも体調不良で総理を辞め、自民党が野党になったときに、あらためて誘ってくれたんですね。
あのころは誰からも声をかけてもらえない状況でしたから、嬉しかったですね。温泉ではお互い裸
になっていろいろ話をしたんですが、そのとき、たかじんさんから、『安倍さん、元気やないか!
』と言われたことが心に残っています。あの一言がすごく自信になりました。あっ、まだやれるか
もしれないと思いました」