925可愛い奥様2018/12/26(水) 21:21:59.33ID:zeJvNa4U0>>937
再掲
「殉愛」p374〜抜粋
十二月二十九日、午後二時にKと弁護士がやってきた。「Kもさくらも部屋から出てくれ」
このあと、たかじんは弁護士と遺言の打ち合わせをした。たかじんの意向でこのときの会話は
すべて録音されている。午後三時四十五分に弁護士が出てきた。
深夜二時すぎ、足をマッサージしようとすると、冷たくなっていた。慌ててパジャマをめくると、
膝から下が内出血したように紫色になっている。すぐに医師を呼んだ。
医師は「血液が行っていない」と言った。心臓が弱り、足の先まで血を送ることができなくなっ
ているのだ。「今、生きているのが不思議なくらいです」

十二月三十日、朝九時に目覚めたたかじんは痛みを訴え、「帰りたい」と言った。たかじんは
久保田医師と少し会話をし、麻薬を投与してもらった。
午後三時半に遺言書作成のために三人の弁護士がやってきた。
なお、この遺言書を作成するにあたり、朝に会話した久保田が「やしきたかじんの意識はしっか
りしており、正常な判断力を持っている」という旨の診断書を書いている。さらに遺言書作成の
一部始終を録画(録音も)している。
遺言書の作成は午後五時に終わった。さくらが弁護士に「無事に終わりました?」と尋ねると、
「大丈夫です。遺言書は認められると思います」と答えた。当然だが、この時点でさくらは遺言
書の具体的な中身は何も知らない。