セクハラ議員に対する告発を軽視、「#MeToo」運動盛り上がらないロシア
2018年3月15日 12:43 発信地:モスクワ/ロシア
http://www.afpbb.com/articles/-/3167197?cx_position=6
抜粋
今年2月以降、スルツキ氏を告発した女性はルスタモバさんで4人目だった。告発した女性たちは当初、名前を伏せていた。
 スルツキ氏は、自分の政敵が命じた政治的攻撃だと主張し、
_____さらにコメント欄で他の下院議員と、女性ジャーナリストを「分け合おう」という冗談まで交わした。

 同僚議員のアントン・モロゾフ(Anton Morozov)氏は、女性たちが陰謀に加担して一芝居うったのではないかと主張。
「ロシアのジャーナリストたちは、彼の名誉を傷つけろという命令を欧米諸国から受け取ったのだろう」と語った。
さらにロシア議会の女性議員らも、スルツキ氏を糾弾した女性たちを厳しく批判した。
 唯一、ジャーナリストたちの擁護にまわったオクサナ・プシュキナ(Oksana Pushkina)議員は、
同僚の女性議員らから、セクハラとの闘いは今でも低迷しているロシアの出生率をさらに悪化させると警告されたと語った。

近年、ロシア政府が男女の役割について保守的な見解を褒めそやし、フェミニズムは自国が敵対する欧州の風潮だというレッテルを貼る中、女性たちの権利はさらなる打撃を受けている。
プシュキナ議員によると性的暴行でさえ訴訟に発展するのはまれで、「セクハラ事案はすべて、告訴の段階でもみ消される」という。
 約20年にわたってロシアを率いているウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が、フェミニストでないことは間違いない。
 プーチン氏は2006年、複数の性的暴行を告発され辞任に追い込まれたイスラエルのモシェ・カツァブ(Moshe Katsav)元大統領について、

 女性擁護団体「The W Project」のアリョナ・ポポバ(Alyona Popova)代表は、「おそらくスルツキ氏には何のおとがめもなく、議員であり続けるでしょう」と語る。
 ルソバさんも悲観的で、「人々は権力のある人物の味方をするでしょう。なぜなら私たちの社会では、女性を非難する方が簡単だから」
「もしもこうした立場に置かれたら、どこにも行き場はないのです」と語った。(c)AFP/Maria ANTONOVA