立体交差化「2030年前後」 南松本駅南側・宮田前踏切 駅前への道路整備も計画
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松本市のJR南松本駅南側の「宮田前踏切」立体交差化工事を巡り、
県松本建設事務所が2030年前後の開通を目指していることが8日、分かった。

当初は13年度の完成を目指していたが、大幅に遅れていた用地取得が今年1月になって完了。
工事中の迂回(うかい)路の一部にもなる都市計画道路整備に22年度にも着手する見通しという。

同踏切は特急や貨物列車が頻繁に通過し、最大で1時間に33分間、遮断機が下りている。
付近に大型商業施設や公共施設、公園があって交通量が多く、住民らには改良を求める声が多い。

立体交差化事業は踏切を含む約350メートル区間で、県道が線路をくぐる構造(アンダーパス)にする。
車道は片側1車線ずつで両方の路肩、歩道を合わせて幅16メートル。
工事中は、南松本駅の約400メートル北側にある、やまびこ道路のアンダーパスが線路東西を結ぶ主な迂回路になる。

また工事中は線路沿いの県道なども一部通れなくなることから、
踏切西側にあるイオン南松本店脇を通って駅前に至る都市計画道路も整備する。
全体で16メートル幅の道路を約340メートル区間で新設する計画。
県公共事業評価監視委員会で審議中で、妥当だと判断されれば22年度に正式に事業化する。

立体交差化は07年に事業認可され、これまでに踏切を渡る歩道橋やエレベーターを設置してきた。
用地取得を終えた現在は、県が埋蔵文化財の調査などを進めている。

総事業費は立体交差化工事が約70億円、都市計画道路が約15億円。
ともにほぼ半額を国の補助金、交付金で賄う方針。
同事務所は「踏切による分断の解消で新たな都市づくりの可能性が広がる」(計画調査課)としている。