ブタものう。
野生のイノシシと同様、土中の虫や植物の根・球根を掘り返して食べるため、他の家畜と違って硬い鼻先と強大な背筋を備えている。
木製の柵では横木を鼻先で押し上げて壊してしまう。オスの牙も強い背筋を生かせるよう上向きに生えており、人間のような丈の高い動物を敵と認識すると、突進して鼻先を股ぐらに突っ込み、頭部を持ち上げながら強くひねる。
野生時代の名残ともいえるこの行動を「しゃくり」といい、まともにしゃくり上げられると大人でも数メートル飛ばされたり、牙で深く傷つけられたりする。
太ももの内側を走る動脈が傷つけられると、失血死するほどの大量出血を招くこともあり、日本で小規模養豚が多かった時代には、年に数人は、しゃくり上げによる死者が出ていた。