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研究費280万円不正受給 信州大准教授

2018年10月19日 00時03分

信州大(長野県松本市)は18日、同大学術研究院(教育学系)の鈴木俊太郎准教授(40)が出張を装うなどして、科学研究費助成事業(科研費)などから約280万円を不正に受け取っていたと発表した。

大学の内部会計監査で、書類の残る2010〜17年度の鈴木准教授の全ての研究費を調べて発覚した。10〜17年度に出張が95件あり、このうち75件が実際に出掛けていない架空の出張で、5件は宿泊日数を水増しして請求。
科研費約230万円、大学の運営資金約50万円を不正に受け取っていた。

研究室の金庫に280万円を上回る現金が保管されていたこともあり、同大は「私的な流用は確認できなかった」としている。
調査結果を文部科学省と日本学術振興会に報告し、今後、返還手続きを進める。

心理学が専門の鈴木准教授は09年4月、同大に非常勤の助教として採用された。
翌年5月から常勤となり、12年2月に准教授に就任。問題発覚後の9月下旬から受け持つ講義を休講にしていた。
大学側の調べに「研究費を水増し申請することで研究をしているように見せかけようとした」と釈明したという。

同大は「事態の重大性を真摯に受け止め、再発防止に全力で取り組む」とコメントをホームページに掲載。処分は今後、検討する。
(中日新聞)