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次世代炭素素材、不ぞろい解消 名大が新合成法

2018年1月26日 朝刊
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2018012602000066.html

次世代の新素材として注目されながら、応用が進んでいない炭素物質「ナノグラフェン」を有機合成で作り出す画期的な新手法を、名古屋大トランスフォーマティブ生命分子研究所の伊丹健一郎教授(46)と村上慧特任准教授(32)らの研究グループが開発した。
電子部品や太陽電池、有機ELの高性能化などさまざまな産業分野への応用が期待される。研究成果は25日米科学誌「サイエンス」電子速報版に掲載される。

ナノグラフェンは、炭素原子が蜂の巣のような六角格子状に連なったシート状物質「グラフェン」のうち、ナノ(十億分の一)メートルサイズのもの。極小だが、高い導電性や優れた光学特性も兼ね備える。
グラフェンの発見者には二〇一〇年にノーベル物理学賞が贈られている。

ナノグラフェンの作成は現在、炭素ガスを使って金属基板上に合成する手法が主流だが、形や大きさはバラバラで、作成効率が悪く、産業応用の壁になっていた。

 伊丹教授らのチームはまず、炭素原子が六角形に連なった「ベンゼン環」を「帯」のように連結。特殊な触媒などを使い、二本の帯の一カ所を接合することに成功した。
最後はジッパーのように二本を結びつけることで、ナノグラフェンをつくった。人為的にコントロールできる手法を段階的に組み合わせるため、大きさや形がそろったナノグラフェンを効率的に合成することが可能になるという。

 伊丹教授は「ナノグラフェンは、生活に役立つ未来材料。今回の合成法により、応用が進む起爆剤になるのでは」と話した。

 (坪井千隼)