モデルで募集しAV出演を強要、2審は実刑判決

3/28(水) 11:32配信 読売新聞

アダルトビデオ(AV)に出演させるため女性3人を勧誘したなどとして、職業安定法違反(有害業務の募集)や強要などの罪に問われた無職金沢新一被告(49)の控訴審判決が28日、大阪高裁であった。

樋口裕晃裁判長は、1審・大阪地裁の執行猶予付き判決を破棄し、懲役2年6月、罰金30万円(求刑・懲役3年、罰金30万円)の実刑を言い渡した。

昨年10月の1審判決は、被告が女性3人のうち1人を脅し、性行為に同意する確認書を書かせたとする強要罪について、出演自体への強要ではないことなどを考慮。
懲役3年、保護観察付きの執行猶予5年、罰金30万円とした。

 これに対し、検察側は量刑不当で控訴。被告が別の性犯罪で有罪となり、執行猶予期間中に犯行を繰り返した点などを挙げ、実刑が相当だと訴えていた。

控訴審判決で、樋口裁判長は、検察側の主張を認めた上で、勧誘の手口について「AVとわからないようモデルなどとして募集するなど巧妙で、多数のDVDを職業的に製造販売しており、相当悪質だ」と指摘。
執行猶予付きとした1審判決の量刑は軽すぎる、と述べた。

被告側の弁護人は、上告を検討するとしている。

判決によると、金沢被告は2014〜16年、モデル募集サイトを見て応募してきた女性3人(いずれも当時18歳)にAV出演を勧誘するなどした。

AV被害に詳しい雪田樹理弁護士(大阪弁護士会)は、
「事案の内容を丁寧に検討して実刑を導いた。AV勧誘の手口が巧妙化する中、犯行の悪質さを適正に判断しており、評価できる」と話している。