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「私が真に懸念しているのは中距離の戦域レベルの核兵力の非対称性だ。中国が中距離核兵力を増強し続けているのに、米国は(旧ソ連と結んだ中距離核戦力 =INF=廃棄条約で廃棄したため)戦域・戦術核をアジアに持たない。中国が戦域レベルで(核の脅威を)エスカレートさせても、米国の抑止手段は基本的に通常の軍事力だけだ」

――どんなリスクが想定されますか。

「我々は最近、中国が危機の際に日本のような最前線国家に対して戦域核使用の脅しをかけるかもしれないと議論している。中国が核の脅しによって日本の政策決定者に冷や水を浴びせ、日本を傍観させておこうとするかもしれないということだ。日本が協力しなければ、米国は台湾を防衛する軍事作戦を実行することが困難になる」

「中国はロシアのプーチン大統領から教訓を学んだ。ある中国の専門家はロシアによるウクライナへの侵攻を『準・核条件下の地域戦争』と呼んでいる。核の脅しが西側の計算に影響を与え、西側が今以上に介入することを妨げたといえるからだ」