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対ロシアで「ドイツは信頼できない同盟国か」(2022年1・2月-2)
https://www.fsight.jp/articles/-/48663
スティーブンスによれば、そのようなドイツの消極的な姿勢は、第二次世界大戦で2500万人のソ連国民が独ソ戦の犠牲になったことへの贖罪意識や、ロシアへの地理的近接性、さらには冷戦後に平和主義的で楽観的な国際秩序観が浸透して厳しい現実を直視しようとしないドイツ国内の政治エリートの認識などが主な要因だという。
さらには天然ガスが必要だという利己的な経済利益の追求が、プーチン大統領の武力による威嚇に対して弱い対応しかできない理由となっている。

また、現在のドイツの危機管理政策は、戦争を回避することと、自らの経済利益を守ること、そして相手との対話に力点が置かれているため、今回のような軍事侵攻の危機には十分な対応ができないという。
さらには、ドイツは現在においても戦争と平和を二分法的に考えているために、ハイブリッド戦争やグレーゾーンでの軍事行動への対応、非軍事的手段によるサイバー攻撃や偽装工作には適切に対応できていない。