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プーチン氏が核で威嚇、キューバ危機以来の局面に
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58648450R00C22A3EA1000/
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 「ロシアは有事の際に事態のエスカレートを止めることを目的にあえて核兵器使用というエスカレート手段をとるかもしれない」── 。米欧の安全保障当局者や軍事専門家の間でこんな懸念が深まり、 「エスカレート・トウ・ディエスカレート」という英語表現を略した「E2DE」という言葉が広がり始めたのは2010年代だった。
 米軍によって広島と長崎に投下されたのち、被害の甚大さゆえに核兵器の使用は事実上禁じ手とされてきた。その核をあえて突如使ってみせることで、北大西洋条約機構 (NATO)軍などをパニック状態に追い込み、自らに有利な形で停戦にもっていく。そんな構想をロシアが持っているようだと米国防総省は18年版「核態勢見直し」報告書で指摘した。
 ロシア自体も、こうした考えを20年公表の「ロシア連邦の核抑止政策の基礎」という公式文書でにじませた。同文書は総論部分で、核兵器保有の目的として主権や領土の一体性の維持に加え「紛争時の軍事活動のエスカレーション防止」という文言を明記。E2DE戦略を事実上認めた。
 その上で、まだ敵の核ミサイルが着弾していない時点でも、発射されたことを示す確かな情報を確認できればロシア側から反撃の核を撃つことを認めるなど、同様の過去の文書にはなかった新規の使用基準を追加。 「相手から攻撃があった」と虚偽の主張をする軍隊がこうした基準を付与されたことで、核先制使用の現実味は増した。
 ただ、ロシア軍がE2DEを実行に移すことでもくろみ通りに停戦に持ち込める保証はない。既に米軍はロシア軍が戦場で小型核兵器を使えば、ただちに同様の手段で報復できるよう新型核の保有に向かい始めた。核攻撃の応酬に直結してしまう恐れが出てきたのだ。...

 追い詰められたプーチン氏だからこそ、危険極まりない戦略を「局面打開の秘策」とみている可能性がある。起こりうるシナリオとしては、黒海に展開中のNATO海軍艦艇に対し「ロシア軍の核戦力を先制攻撃で無力化しようとしている」と言いがかりをつけて戦術核兵器で攻撃するという展開がある。
 非戦闘員の犠牲者を抑えられ、国際的な非難をかわせるとプーチン氏は考えるかもしれないのだ。...

 今後万一、ロシアの核使用が現実になれば、中・長期的に「核使用の敷居」が一気に下がってしまい、核保有国が安易に小型核を武力紛争で使うようになってしまう懸念さえある。...