>>322>324 >>154
2022/02/22
冷戦後の米対中関与「戦略的大失策」 ミアシャイマー氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN115QT0R10C22A2000000/
・・・
――50年前、中国との国交正常化への道を開いたニクソン大統領、キッシンジャー大統領補佐官の決断はそもそも間違っていたのでしようか。

 「そうではない。米国の過去50年の対中政策は冷戦時代と1990年前後から2017年までのポスト冷戦期、それ以降を分けて評価する必要がある。冷戦時代の米国は中国に関与し、ソ連に対抗する関係を結んだ。非常に理にかなっていた」
「89年に冷戦が終結し、91年にソ連が崩壊すると、米国はソ連を封じ込めるために中国の力を必要としなくなった。米国は愚かにも中国が経済的に強くなるのを助ける『関与政策』を追求した。中国は当然、成長した経済力を軍事力に転換した。米国は同等の競争相手を創り出す戦略上の大失策を犯した」

――中国の「封じ込め」 は実行可能ですか。

「・・・経済的には中国の成長を可能な限り抑え、最先端技術を支配させないことが主眼となる」

――米中の武力衝突の可能性をどうみますか。

「米中の新冷戦は米ソ冷戦より『熱戦』に至る可能性が高い。米ソ冷戦は欧州が中心で、北大西洋条約機構(NATO) とワルシャワ条約機構の衝突は瞬時に核戦争に発展する可能性が高かった。代償が大きい分、米ソ間の抑止力は非常に強固だった。一方、東アジアの現状からは米中が台湾や南・東シナ海を巡って限定的な戦争に至る事態が想定できる。限定的な分、可能性は高まる」
 「たとえば中国が台湾をめぐる争いに負けた場合、海上で核兵器を使用する事態が想像できる。米国による逆のケースもある。慎重な表現が必要だが、米ソ冷戦時の核戦争の可能性よりも、海上における米中の戦いで核が使われることを想像するほうが容易だろう」

――中国は「時間は味方」と考えています。

 「正しいかもしれない。・・・だから最悪のケースに備え、米国は中国の封じ込めに全力を尽くさなければならない。軍事力は結局、経済力に基づいている」

――93年の論文でウクライナの非核化に反対しました。ロシアの脅威を抑止できなくなるとの理由でしたが、米国はアジアと欧州の問題に同時に対処できますか。

 「・・・中国に対抗するためには米国はロシアと手を結ぶことが自然だ。NATOを東に拡大したことでロシアとの間で危機を招き、アジアに完全に軸足を移せずにいる」・・・