>>21続キ

・日本は独立国か?
吉田茂の説得により野党からただ一人全権として参加した保守第二党民主党の苫米地最高委員長はこの麗しき誤訳をどう読んでいたのでしょう。
靖国問題で有名な第十一条の極東国際軍事裁判所の判断維持や第十四条の賠償責任条項などまで条項を読むと、英文原文では、サンフランシスコ講和条約は、日本の独立を宣言するものでは決してなく、
単純に日本の敗戦と領土の放棄、並びに、賠償責任を明確にし、その上で、米国の州の一つという意味程度の自治を日本の人々に認めようというレベルの文書にしか読めません。
現在もこの条約が有効である以上、英文、仏文、西文で条約を読んでいる国連加盟国の国々にとっては、日本はいまだ独立国ではないのだろうというのが私の率直な感想です。
国連が現在でも日本に対する敵国条項を削除しようとしないのも、こういうところから来るのでしょう。
もちろん、我々は、サンフランシスコ講和条約で、日本は独立したと教わってきたし、その条約には「日本国」のことが書いてあると信じてきましたが、
これは事実ではないというのが私の英文原文を読んだ本音です。
一九五一年九月七日に吉田茂主席全権は、サンフランシスコ講和会議でのスピーチで以下のように語っています。
"It will restore the Japanese people to full sovereignty,rquality,and freedom,and reinstate us as a free and equalmember in the community of nations."sovereigntyを「主権」という言葉であえて私が訳せば、
「これにより日本の人々が主権を十分に取り戻し、平等と自由を回復するものであり、私たちを世界の民族のコミュニティに自由で平等な一員として再参加させるものである」ぐらいになるでしょう。