数年前に死んだ俺の爺さんは海兵出身の職業軍人だった。
明治生まれなのにパソコンは俺より早く使っていたし、死ぬ直前まで海外の友達とメール交換するような頭の柔らかい人だった。
戦争の話は滅多にしなかったが、晩年は晴れた日に庭のテーブルでコーヒーを飲みながらいつも言っていた。
「良い天気だ。良い時代だ、本当に良い時代になった。本当にいい」