せっかく大出血経済ダメージを負いつつも必死の2カ月自粛をやりとげたのに、その間にろくに検査数も拡大せずに手をこまねいていたのなら、本当に何のための自粛だったのかわからない。
感染拡大は感染者と非感染者の接触でしか起きないのだから、自粛か検査隔離は有効で、後者の方がはるかに安いのに。

しかも検査数が伸びなかった原因が、科学的には何の根拠もなかった「PCR検査は精度が低い論」だったとしたら、これほど馬鹿な話は無い。特異度99%だから偽陽性が大量に出るとかいう話がありえないのは、
PCRの仕組みや検査実績を落ち着いて調べれば、小学生でもわかる。

3月4月に必死で医療崩壊を食い止めようとした医療従事者や、仕事や給料を犠牲にStayHomeした人たちの努力で新規感染がようやく減らせたというのに、検査隔離も増やさずに自粛解除したら単に同じ道を辿ることになる。
検査の有無にかかわらず、感染連鎖が加速すれば重症者や死者の増加も加速するためだ。

若者の感染蔓延は放置してハイリスク者だけ守ればよいみたいな考えもあるみたいだけれど、ハイリスク者を介護するのはたいてい若者であることを思い出した方が良い。
検査をしなければ無症状感染者から感染拡大するので、感染連鎖が続くのにハイリスク者だけ守れるなんてのは机上の空論でしかない。

確かに検査するだけで感染拡大が止まるような簡単な病気ではない。しかしいったん広がったのに検査を絞って収束できた国は一つもない。
ただの風邪だとか集団免疫だとか言って広がるに任せた国や地域はたいてい酷い目に遭っている。ブラジルやスウェーデンは最たる例。日本もいずれ加わるかもしれない。