マレーシアの中古車ネットオークション会社、カーサムはこのほど、事業拡大期に当たる「シリーズC」ラウンドの資金調達で5,000万米ドル(約54億7,700万円)を確保したと発表した。日本企業では、三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のベンチャーキャピタル、
三菱UFJイノベーション・パートナーズと、大和証券グループの大和PIパートナーズがカーサムに初めて出資した。
 カーサムはクアラルンプールに本拠を置き、マレーシアとシンガポール、インドネシア、タイの4カ国で中古車ネットオークションのサイトを運営している。
これら4カ国で合わせて50都市、6,000社以上のディーラーが出品している。カーサムによると、年間に4万台超を販売し、取引高は3億米ドルを上回るという。
 今回調達した資金は、東南アジアでの事業拡大に投じる。新たに商圏となり得る都市を発掘し、向こう1年間でディーラー(売り手)、消費者(買い手)双方へのローン支援を強化する考え。カーサムの共同創業者で、
最高経営責任者(CEO)を務めるエリック・チェン氏は「東南アジアでは年間400万台の中古車が売買されている。うち、われわれのシェアは1%で、さらなる拡大を目指す」と語った。
チェン氏は、既に黒字化しているマレーシア事業に加え、その他の3カ国についても「20年中に収益分岐点に達する」との見通しを示した。