昭和の時代には、町に必ず基地外みたいな本屋・古本屋があった。
何も買わないと、聞こえるように嫌味を言う(店主の近所の知人と二人でコント仕立てか!と思うような)。
カッターで肝心な所が切り取られててもヤバ店主が怖くて泣き寝入りしたこともあった。
目的の本がなくて帰ろうとしたら、急に、バチッと明かりが消えて真っ暗になった所に、「お前ら、また立ち読みしにきたか!」と薄気味悪いジジイが声を荒らげ、子供心に心底ビビッた。
本なんか読んでないし、そのへんの本は皆、ヒモで縛ってある。そもそも、こんな店来るのは初めて。
まるで話が通じない店主に恐怖を感じ、店主の妻らしき人物に助けを請う視線を送るも、ババアもまた同様の基地外。
外に逃げよう、と自動ドアにダッシュするも停電で開かず! 
「出たけりゃ手で開けなッ!」と言われ、フルパワーで必死に開けた。手で開けるのはこんなに大変だと、初めて知った。

まだ子供だったから、復讐しようとか考えなかった。
しばらくして、ふと思い出し、ションベンでもかけてやろうと思い、店に行ったら、すでにツブれていた。