ネッススの命名は天文学者と占星術研究者が協力して行われた経緯がある。
天文学から見れば占星術は偽科学でありこんなの異例。

複数の占星術師が提案した名前が偶然(もっとも、神話のケンタウロスの名前としては
ケイロン、ポロスに続いてネッソスは有名なものだけれども)Nessusという名前で
一致しており、それが正式名になったというエピソードは、
見ようによっては占星術によるレッテル張りで名前=解釈が決められたとも見れる。

占星術的にはネッススは、
@(天文学と占星術のように)異なる分野の知識が協力することで相乗効果を生む
 (ディアネイラにとって危険な環境でしかない河で渡し守の役割をすることや
   ネッススの毒の化学反応のように)
Aネガティブな場合は異なる分野(人間関係等)間に疑い、偏見、レッテル張りが
 生じる
B毒を薬と偽って渡す=知識など、なにごとかの「悪用」
C Bでディアネイラが騙される原因となった、ヘラクレスの浮気への「疑心暗鬼」
こういったものに関連付ける意見が海外ではあったね。
他人をスポイルする=毒する、というような意見もある。

こういうのをまとめると、なにかこう、
相手に強い疑いがあり(下心があるんじゃないか、悪意や嘘があるんじゃないか)、
疑心が疑心を呼んで、信頼することができないとか、
逆に信頼していたら騙されたとか、
相手を騙す意図があるとか。
個人的に実例を追ってるとそういうイベントが多いように感じる

ケンタウロスってのは基本ぜんぶ理性と獣性の葛藤と協力を意味するんだけど、
天体ネッススの場合は
獣性=狡猾なネッソス、理性=脆弱で疑心暗鬼にかられやすいディアネイラ、
あるいは獣性=暴力的なヘラクレス(ディアネイラによって焼き殺される)
の3者関係に意味があるんだと思う。