丙寅(ひのえとら)傲慢無礼な一番偉い虎

この星命は寅の応身期に当たる生命で、寅の仲間では第5生命体つまり寅の最高権力者である。
やり手の戊寅を更に傲慢無礼な皇帝にしたような人象であり、庚戌とは現れ方が異なり因縁が正反対になる生命である。
丁卯同様に爐中火の生命であり、上納品や貢き物を強要し貰ったら最後それを決して人に分け与えない生命である。
この生命は60干支の中でも名高い生命で、戊辰に優るとも劣らない天才であり、
更にそれに学問的な理論性が加わったような高性能頭脳の持ち主である。だが、有名なのは頭脳ばかりではない。
内面に潜ましている暴君とも言える傲慢無尊な鼻持ちならない皇帝虎の性質である。
少数派の劫財寅は傲慢強欲を絵に描いたような人間で、貢ぎものがなければ法を犯してでも分捕るから手が付けられない。
また多数派の比肩寅は大いなる野心家で蒙放磊落な虚言を吐いて己の凄さを誇示したがる性質を持っている。
いずれも酷(ひど)い守銭奴で、人に暖を施さずに我が家の爐(いろり)を独占する「爐中火」の生命である。
この星命は才能と徳分は充分備わっており、その餓鬼の如き欲望と言葉の暴力を慎み、大人物を装う性癖を控えれば自然と幸運は舞い込んでくる。