1996年に刊行された今は絶版となっている、松村潔著、「占星術のシクミが
がわかる本」は、天体間のアスペクツについて、日本語で著述されたものとし
ては、日本占星術史上、最も優れた本(の一つ)であったと思います。
 その本の56ページには、「黄道上の4つのポイントは、ホロスコープを
読み解くための最も大切な項目」との記述があり、アセンダント、ディセン
ダント、MC及びICの説明がなされています。ところが、期待させておい
てどういうわけか、これらの4つのポイントに対するアスペクツの解説は全
くありません。肩透かしを喰らった感じがしたものです。
 その後、松村氏のアングルに対する理解が進んだのか、上記の点への反省
からか、2003年刊行の「最新占星術入門」では、ASCとMCに対する天体
のアスペクツの読み方が解説されています。ただし、個々の天体とASC及
びMCとのアスペクツは解説されていません。読み方の一般論が記述されて
いるだけです。
 秋月さやかさんの「正統占星術入門」でも4点のアングルの説明は、相当に
詳しく書いてありますけれど、アングルに対するアスペクツの解説はありませ
ん。本文部分だけで475ページの大部の本なので紙幅の関係なのかもしれま
せん。
 ホロスコープの読み方には色々な方法論や流派があり、この道に踏み入った
者にとってはまさに永遠の課題なわけですけれど、決定的に重要なのは、少し
考えてみれば分かる?ように、アングルなのでしょう。