校則で下着(パンツまで)を指定する中学校は、かつては日本中にたくさん存在した。決して空想上のものではない。
カッターシャツの下に着るインナーを白に限定する中学校は、今でもかなりたくさんある。

例えば、1980年代末期に出された本には、兵庫県のとある中学校の校則が全文掲載されているが、

(9) 本校では、靴下だけでなく、以下にあげるもの・及びその他の衣料品は全て、学校指定とする。
  下記のもの以外は、理由のいかんにかかわらず着用してはいけない。
 (イ)男女共、ベルト〔校章入り。学年色〕
 (ロ)男女共、夏服・冬服共、体育用制服。〔校章入り。学年色〕
 (ハ)全ての下着類及び着用物。〔校章入り。全て白〕
 (二)各種靴類。〔所定の枠内に正しく記名すること。〕

(10) 男女とも、夏・冬とも、カッター・ブラウスの下には本校指定のシャツ・スリップを着用すること。
  また、ズボン・スカートの下にも正しく本校指定肌着を着用すること。
  2重に着用したり、短パン・ブルマを着込んだりしてはいけない。

(15) 服装検査は、毎日1・2回行う。主に認証マーク・校章マークについて調べるが、合わせてスカート床上等重要部分の計測も行うので注意すること。
  また、検査中は時間内に終わるよう協力すること。

なんと、「校章入りの白ブリーフ」が確かに存在したということがわかる。

また、福井県では平成3年に以下のような報道もあった。

柄入り下着の生徒に体罰 
 朝日新聞,1991年5月31日夕刊,大阪本社版17面 

福井県丹生郡織田町の町立織田中学校(****校長、生徒215人)で、
修学旅行の持ち物検査の際、付き添い教諭の1人が3年生の男子生徒全員に下着を見せることを命じ、
柄入りの下着(トランクス)をつけていた生徒の体に触ったり、体罰を加えていたことが31日、分かった。
**校長は行き過ぎがあったことを認め、修学旅行後、全員を集めて謝罪している。
同校では5月21日から3泊4日の日程で東京方面へ修学旅行に出かけた。
持ち物検査をしたのは出発の前日。あらかじめ荷物を学校から宅配便でまとめて旅行先に送る際、
付き添い教諭が、78人の男女を別々に分けて一斉に調べた。
生徒、父母らによると、この時、男子生徒40人のうち約30人が
修学旅行への持参が禁じられている柄の入った下着を持っていたため、これらの下着を一時没収。
さらに教諭の1人が「普段から柄入りの下着をつけているのかどうか、検査する」と
男子全員に下着を見せることを命じ、トランクスをはいていた生徒約20人の体の一部を触った。
そして、それぞれが持って行こうとしていた下着の枚数分だけ、
授業につかっている竹ざおで生徒30人の頭を強くたたいたうえで、下着を返したという。
**校長は「トランクスが多かったので身体検査をしたようだ。
いずれにしても熱心で若い先生なので、指導が行き過ぎてしまったのかもしれない」と話している。

他にも、昭和の終わりとか平成の初めごろの愛知県では、
下着検査までする中学(場合によったら高校も?)が少なからずあった。
もちろん、校則は「白の下着」を規定。男子の場合、白シャツと白ブリーフ。
学校によっては、2000年前後まで、そういう時代の残り香があったとも……。