夏、高校で強制的に白いハイカットのサポーターを買わされた。
今まで下着を選ぶ時は、自分のサイズに合ったものや肌触りを選んできた。
しかし、このスポーツ用…ましては水泳用となるとサイズへの概念や質感、機能性から全てが異なっていた。
近日に水泳の授業を控えたある夜、風呂上りに試着して見ようといざ取り出すとテカテカの女性用のショーツの様な下着だった。
間違えたのかと思ったが表記に男性用とあり、股間の前面部を圧迫しないための裁断がついていたので問題なかったが、その形状には多少の抵抗を覚えた。
気を取り直して穿いてみると、今度は妙な違和感と不快感が込み上げてくる。
おもむろに鏡に目を向けると同時に、自らにしっかり張り付くサポーターに言葉を失った。

水着以上に体を締め付ける構造のため、陰茎や肛門は圧迫されながら、その形を否応無しに浮かび上がらせる。
あまつさえ卑猥なのに、白い光沢を帯びたナイロン製の生地は乱反射し、恥部を艶かしく強調する。
それだけではなく、薄い生地ゆえに肌の色や毛までもが淡く透けているのである。

ただでさえ、フィット感のある下着を経験したことが無かった自分にはあまりにも大きな衝撃だった。

あくまで水着の下に穿く事を前提に作られており、水着の上からは見えない事はわかっている。
それを加味しても、卑猥さや性的倒錯を売りにした下着を穿かされた様な羞恥心…
裸よりも恥ずかしい、まるで変態の様な格好をしてしまった屈辱と背徳感…
そうした感情が入り乱れ、立ち尽くす傍ら締め付けられていた陰茎は、意思に反しサポーターを汁で濡らしていた。
既にどうにもならず、亀頭はサポーターの浅さに耐えられず、外へ顔を出しきっていた。
決してゲイやナイロンフェチ、アブノーマルな嗜好がある訳でもないが、その浮き上がった股間を不意に擦ってしまった時は、つい禁じえなかった。
掃除をした後、性癖の一線を越えたような陵辱された気分だった。

夏、避けては通れぬ水泳。
成長してきた体の凹凸を隠したいという思春期の感情。
これを適えようとした品、それは小さく締め付けてくる透けたサポーター。
これが生徒全員に強制されている(女子もかなりのハイレグで後ろはTだった)
性に疎かったり、締め付ける下着に抵抗があったり、発育の大小がコンプレックスを持つ子もいるだろう。
だが、必要な体育の単位のために「穿きたくない程に淫らな下着」を見えないところで穿かされ泳がされるという理不尽を余儀なくされる。
これは体の成長を徐々に受け入れながらも時折拙く困惑する自我と、その大人に成りかけた体に「猥褻な格好」を受け入れさせると言う変態の権化他ならない。
そうして、学校は「きっかけさえなければ平穏に暮らしていた」はずの健全なる生徒達をアブノーマルな世界へと導いていくのだ。
つまり、水泳の授業は始まる前から危険性に満ちているのである。