梅澤容疑者の会社 乗務前にアルコール検査行わず

逮捕された梅澤容疑者が勤める運送会社の親会社で都内に本社がある鉄筋加工会社「南武」の知念辰浩社長は報道陣の取材に応じ、事故について謝罪しました。

知念社長は「あるまじき飲酒運転で誠に申し訳ありません。お亡くなりになられた2人のご冥福を祈るとともにけがをされた3人の方の1日も早い回復を願っています。二度とこのようなことが起こらないよう社員全員で取り組んでいきます。本当に申し訳ありませんでした」と述べました。

会社の説明によりますと、梅澤容疑者は子会社の運送会社「南武運送」の社員で、28日午前6時ごろに出勤し、現場近くの八街市の工場から市川市の建設現場に資材を運んだあといったん工場に戻り、そのあと再び東京・江戸川区に資材を運んで戻る途中で事故を起こしたということです。

会社では乗務前にアルコール検知器を使った検査は行っておらず、28日に梅澤容疑者と会ったほかの従業員も特に変わった様子には気付かなかったということです。

また梅澤容疑者は勤続16年のベテランで、これまで大きな事故を起こしたことはなく真面目で勤務態度に特に問題はなかったということです。

知念社長は「運転手の呼気から基準値を超えるアルコールが検出されたことは運転手としてあってはいけないことで会社として察知できなかったことは申し訳ない。本当に心が痛み、ご家族のことを思うと言葉がない。申し訳ありませんでした」と改めて謝罪しました。


事故現場の近くに住む女性は

事故現場の近くに住む女性はNHKの電話取材に対して「現場は畑の中の道で歩道はなく車2台がギリギリすれ違えるくらいだ。近くの団地の子どもたちだと聞いていて心配です」と話していました。

同じく事故現場近くに住む77歳の女性は「この辺りの道路は歩道がないのですごく怖い。車を運転していても怖く、子どもがいたらゆっくり走るようにしています」と話していました。

また事故現場の近くに住む60代の女性は「目を背けたくなる光景だった。ランドセルを背負った子ども2人が道路やトラックの後ろに倒れていた。亡くなった子もいると聞いて近くに住む子だと思うので気の毒です。運転手の呼気からはアルコールも検出されたと報道されていて驚きました」と話していました。


児童が通う小学校では5年前も通学路で事故

八街市教育委員会によりますと、子どもたちが通っていた八街市立朝陽小学校では5年前の平成28年にも市内の別の通学路で登校中の児童の列にトラックが突っ込む事故が起き4人がけがをしていたということです。

このため教育委員会は登下校時の子どもたちの安全対策をまとめた「通学路交通安全プログラム」を定めて、保護者や地域の人たちによる危険箇所での見守り強化などの対策を進めてきたということです。

また事故があった現場の市道は歩道を確保できる広さがないことから、去年「スクールゾーン」に指定されたということです。

しかし今回の事故が起きたことについて市教育委員会では「子どもたちが注意していてもトラックが突っ込んでくるのでは避けようがない。飲酒をしていたとすれば言語道断だ」と話しています。