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コンテナ、ロックせず出発か 名古屋のトレーラー横転
2009年5月18日9時0分

名古屋市港区で海上コンテナを積んだトレーラーが横転し、乗用車の母娘が下敷きになり死亡した事故で、
運転手がコンテナと荷台の前部2カ所を固定しないまま、
コンテナヤードを出発していた可能性が高いことが、港署への取材でわかった。
同署は、留め具でロックしなかったことが横転の要因の一つとみて、コンテナを積んだ際の状況を調べている。

事故当時、長さ12メートルのコンテナの前部は荷台から外れ、横倒しになっていた。
同署や国交省中部運輸局の調べでは、留め具には、強い衝撃や、運転中の弾みで外れた形跡は確認されなかった。

一方、自動車運転過失致死傷容疑で送検された運転手の田川延郎容疑者(60)=三重県桑名市=は、
捜査に「自分ではロックしていないが、留め具は目で確認した」と供述しており、
同署は積み込み作業にあたった関係者からも事情を聴く。コンテナ後部の2カ所はロックされていた。

事故を起こしたトレーラーは、愛知県飛島村のコンテナヤードで、
大型の植木鉢などを載せた重量約23トンのコンテナを積んで、同県高浜市に向かう途中だった。

田川容疑者は、トレーラーを運転できる牽引(けんいん)免許を取得して40年近いベテランだった。
勤務先の運送会社が05年に採用したのも、その実績を評価してのことだった。

この運送会社によると、トレーラーとトラックとは運転技術が格段に異なる。
バック一つ取っても、ハンドルを回す方向さえ違う。
社内には、田川容疑者以外に、牽引免許を持つ社員は5人以上いるが、いずれもトレーラーに乗車させていない。
保有するトレーラー1台は田川容疑者だけが運転する専属だった。

運送会社の上司は「まじめで慎重な性格。現場付近は何度も通行している。
まさか事故を起こすとは思わなかった」と話す。
田川容疑者は捜査に「なぜ横転したのか分からない」と供述しているという。