脳の男女差

日経ビジネスより抜粋
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/227278/021700082/

 やがて、男女の認知とか行動とかの違いとの関係が分かる日が来るかもしれないが、
それも、おそらくは「ローテーション課題」の場合と同じで、
集団としての分布の違いは言えても、個人の差をはっきりと語るものにはならないだろう。

「これ、2014年の『プロスワン』誌に科学コミュニケーションの研究者たちが書いたものです。
まず、注目した論文というのが『PNAS(米国科学アカデミー紀要)』に出たfMRIを使った脳研究で、
脳の中のネットワークが、女性は半球“間”のつながりがやや強くて、
男性は半球“内”のつながりが強い傾向があるというものでした。
その後、論文からプレスリリースになり、ニュースにとりあげられてブログの記事になり、
ニュースのコメント欄、ヤフコメみたいなところにいくにつれて、
本来は『結合パターンに統計的な差が見つかった』って話なのに、
『女性はマルチタスクにすぐれていて、男性は難しい課題に集中することができる。
だから女性は家にいて家事をやるのが得意で、男性は外で仕事をするのがいいということがわかり、報告された』になってしまうと。

いかに細心の技術と知識を使って、2群の差をあらわそうとして、単純化できないような差を見つけたとしても、
そんなのは社会に必要とされていないんだなあと思い知らされます」