私と嫁は大学の研究室が一緒で、
そこは毎年民俗学のフィールドワークに、
地方に泊まり込みで音源や映像を収集して、
それが一部学生の卒業論文になる。

ある年に行った集落では、
「夜這い」と「婿回し」が旧来の習慣でそれを見学。
「婿回し」は若者が結婚して性経験を積むと、
未婚の処女が彼らで女になる行事。

それを教授と学生たちが物陰で見学する。
見学が終わると世話役が、
お礼の代わりに貴方たち若者の裸を見せて下されと、
集落の共同浴場で一緒に入浴する事に。

始めは皆モジモジしていたが、
世話役が皆が揃った所で、
実はもう一つの習わしを披露しようと言う。

毎年男女一人づつが生贄役に選ばれて、
ここで豊作祈願の交わりをする、
その媒酌人になって下されと懇願される。

その一連の行為を見た後に、
世話役が貴方たちもここですると幸せなカップルになれる、
と言いこの行事に倣う事を進めて姿を消す。

そして私と今の嫁とが目と目が合ったのだよ。
周りでも何組かのカップルがそんな雰囲気に。

その神聖な場所とされる浴室で、
学生たちの見ながら見せながらの
交わりを経験したのが馴れ初め。