大学の研究室で教官と一緒に
工場実習演習に行ってそれが終わって
近くの温泉地の今の嫁さんの実家に
皆一緒に泊まりに行った。

どの家にも温泉が引いてあって、
風呂場も数人でもゆったり入れる広さで、
(冗談半分に)こんな立派な風呂場があるなら永住したい、
と浴後の宴会の席で公言してしまった。

それを聞いた義父が、
「それは上等、専門家が二人いて頼もしい」、
義父の会社が専門の学科に嫁さんも私も属していた。
教官も上機嫌でこれで二人分の就職先が決まったと。

後に義父が上京して教授に正式に身請けを申し出て、
すんなり就職も婿入りも決まった。

子供が大きくなる頃に、
うちの両親は田舎が無くて、
風呂が無類に好きでそこに引っ越しして、
孫たちに可愛がり競争をしている。