大学生活は人並みに充実してた
彼女も何人かできたけど長く付き合ったのは一人だけ
二年付き合って就職で地元に戻るっつったらフラれた
結婚とかは見えてなかったからそんなもんかなって諦めた
仕事始めてからは遊ぶ時間が最優先で女には目もくれず遊び呆けていた
晴れたら釣り、雨でも釣り、強風だったらスロット
そんでいつものように田んぼの用水路で釣りしてたら、田植えしてた農家のおばさんが近寄ってきた
「何が釣れるんですか?」
あれ声が若いと思ったらおばさんの格好してるお姉さんだった
「ブラックバスですけど、分かるかな?」
「美味しいんですか?」
ダメだこりゃ
「はっ?ちょっと待って、もしかして◯◯じゃない?私、女よ!同じ高校だったギャル女だよ」
は?うそだろ?お前そんな顔してたのかよ
狸みたいな化粧落としたら狐になってんじゃんよ
「やだーめっちゃウケるーマジ意味分かんないんだけどー。てかグラサン似合わなすぎーギャハハハ」
そのバカそうな話し方は確かに女だった
女は叔父さんの田んぼの手伝いで来てるらしかった
実家暮らしで介護職してるってこと聞いて、ギャル時代からしたら意外だけど世話好きの女にあってそうだなと思った
お互いフリーだと分かって、誰か紹介し合う約束をした
この時お互い24歳
俺は女耐性ついてたし、あの頃の淡い気持ちは1ミリくらいしか思い出さなかった