幼稚園からの幼馴染の女の子に、小学生3年生の時に指輪をプレゼントした。結婚の約束、婚約指輪。
街の雑貨屋で買った1000円ぐらいの物。
今にして思えば、微笑ましい子供やる事で、思い出すだけでも恥ずかしくなるよ。
女の子は「大人になったらお嫁さんにして下さい」って、真っ赤な顔で受け取ってくれた。

でも、4年生の新学期に女の子はいなかった。親の仕事の関係で春休みに引っ越したらしい。
俺の初恋はそこで終わった。
それから俺は良くもなく、悪くもなく本当にどこにでもいる子供になった。
中学、高校と普通の公立校に進み、都会の大学に入学。
実は、小学4年のあの日から俺には変な行動があった。それは初対面の女性の左の薬指を見ること。無意識にあの指輪を探していたのかも知らない。
もうあの子の顔も思い出せなくなっていた、今すれ違っても気づかないだろう。