嫁は料理が苦手だった、粗忽者で
夕飯は概ねスーパーのお弁当
俺も貧乏舌だからそんな弁当でも不満はなかった

ある日、会社の先輩から魚をもらった、釣りが趣味な先輩
酒のつまみに俺が捌くからって言ってたけど、嫁が捌いてくれてた
小骨も内臓も残ってたけど頑張って捌いて俺を喜ばせようとしてくれた事が嬉しい
正月には俺は作る役、嫁は食べる役なんて話してた、もっぱら鍋だったから作るなんてもんでもなかったが毎年俺が作ってた

嫁が死んでもうすぐ一年
嫁の作った飯が食いたい、嫁が買ってきた弁当が食いたい

各々料理下手な嫁なんだろうけど、大事にしてあげてくれ
二度と食べれないとなると本当に辛いから…