ネコは一生に一度だけ人語を話すという。大概とても重要で意味深なことを言うらしい。
昔話では浄瑠璃を語ったとか、事故を予言したとか。

ある日家族でオムライスを囲んでいた。『ケチャップ足りない。ケチャップもらってきて』と、
くり(ネコ)に言うと、くりはおもむろに立ち上がり台所に行った。
そして、『けにゃっぷ!』と鳴いた。家族全員びっくりした。

しかし、これが一生に一度だけ話す人語かと思うと、何だかとても悲しかった。