近所の爺さまが酒を持参すると、
大昔の地方事業所への単身赴任での大名暮らしを語って呉れる。

事業所に万単位の従業員と工員さんがいる所に、
所長として単身赴任した時は、
「倶楽部」と呼ばれた高級幹部の厚生施設の一角が住居で、
庭に池や築山まであってちょっとした料亭旅館だったと。

「倶楽部」には専属の板前さんと仲居さんがいて、
朝晩とも食事が部屋まで配膳して呉れてお酌付き。
「夜伽」まで用意して呉れそうになったのでそれは断ったとか。
以前好色の役員クラスが単身赴任していた時に仲居さんに「お手付き」があったとかで。
事業所の厚生課長がそんな事まで世話するのは気の毒と、
本社に掛けあって廃止させたとか。

今の単身赴任者から見ると夢の様な話。