>>564
続き

連絡先を渡して部屋に戻った後、汗を流し、すぐに微睡んだ。翌朝、携帯を確認してみると、留守電が1件入っていた。
嫁からだった。
「あのっ、嫁美です!俺さんのケイタイですよね。受け止めてくれて、ありがとうございましたっ!よろしくですっ!」
って、かなりのハイテンション。
時刻は、barの閉店時間を過ぎた深夜一時だった。
今の時間は、嫁が寝ているであろうことは明白だったので、午後二時頃に勤務先から、タバコ休憩をとるタイミングでコールバックした。
昨日は楽しく飲めたことと、メールアドレスも知りたいので教えてほしいことと、こちらこそよろしくと伝えて、通話を終えた。
終業時間に差し掛かった頃、携帯が震えてメールの着信を知らせた。
嫁からメールアドレスを知らせるものだった。
互いに昼夜すれ違いの多い環境だったのもあり、barで、客の少ないタイミングで小声で会話を交わし、それ以外では、メールがメインのやり取りが続いた。

マスターの計らいだったのだろう。
ある日から、店のスタッフが充実したこともあってか、月に二度の休みが嫁のシフトに新たに追加されるようになった。
それまでも、嫁が休みになると、俺の帰ってくる時間に家の近くの公園で、待ち合わせして部屋で食事を作ってくれたりしていた。

ここまで、恋人同士になって三ヶ月ほどになっていたが、キス止りで、なかなか、それ以上になるタイミングを逃していた。