子供の血液型は? トラブル多発 「医学的に事前検査の必要ない」

2013年3月21日(木)10:30
子供の血液型は? トラブル多発 「医学的に事前検査の必要ない」(産経新聞)

わが子の血液型を知っていますか? 昔は出産時に教えてくれたが、今では調べない産婦人科が多いという。しかし、
「事故や病気など緊急時に備えて必要」という親もいる。子供の血液型を調べたい場合、どこで調べればいいのだろうか−。(清水麻子)

◆トラブル多発で

川崎市の宮本幸美さん(44)=仮名=は幼稚園児の長男(6)から血液型を聞かれ、困った経験がある。
「そういえば子供の血液型を知らない。私が生まれた時代は産院で調べてくれていたはずなのに」と宮本さん。
「愛育病院」(東京都港区)新生児科の加部一彦部長によると、ABO型の血液型検査は昭和時代、
医療機関の産科でサービスの一環として行われていた。しかし、近年は大半の産科で実施していないという。

昭和50年代は産科で血液型を調べ、親に知らせるサービスが全国で行われていた。新生児のかかとに
小さな針を刺して微量の血液を採取し、先天性の病気の有無を調べる「先天性代謝異常検査」が全国で導入され、
その際にサービスとして血液型を調べた。

しかし、実際とは違った血液型の判定が出るなどしてトラブルが多発。そのため、最近では実施する産院は
ほとんどないという。「手術や輸血が必要になれば、必ず血液型を検査します。そのため、基本的に事前に
血液型検査をする必要性はない」(加部部長)特に、新生児の血液型は調べる意味がないという。加部部長は
「1歳児未満は血液型検査を行う際に必要な抗体が検出されず、正確な血液型が判定されない場合が多々ある」。
愛育病院も、かつては新生児の血液型を親に教えていたが、教えた血液型と実際の血液型が違うなどの混乱が起きた。
病院の手間やコストもかかるため、十数年前に廃止した。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20130321510.html