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「感覚はよかった」のに2回戦負け。頭をよぎる錦織圭の年齢問題 3/24(日)

 気がかりなのは、ATPドバイ大会(2回戦敗退)、MS・インディアンウエルズ大会(3回戦敗退)に続く (3大会連続格下相手の)
今回の大会序盤での早期敗退だ。

 ドバイとインディアンウエルズで続けてフベルト・フルカチュ(54位ポーランド)に負けた時は、22歳の若手選手には失うものがなく、
その勢いに錦織が押されたという見方もできた。

 だが、マイアミでの2回戦では、30歳前のラヨビッチの調子が格段よかったわけではなく、どちらかと言えば錦織のひとり相撲だった。

 まず、「サーブがもうちょっと入っていれば、また展開は変わっていたと思います」と、敗因には錦織が振り返ったサービスゲームの出来の悪さが挙げられる。

 錦織の第1セットのファーストサーブの確率は56%と低かったものの、ファーストサーブでのポイント獲得率は79%を維持できた。(だからキープしてセット取れた)
しかし第2セットのファーストサーブの確率は52%で、その入ったファーストサーブでさえポイント獲得率が42%に落ち、
(2ndのみならず1stでさえ) リターンからラヨビッチは、錦織にプレッシャーをかけていた。今、多くの対戦相手が、錦織の(弱った)甘いサーブを見逃さずに、
リターンから強打して攻撃することを試みている。(いまや何もそれは天敵ジョコビッチや 全敗フルカチに限らないのだ)

 そして、ファイナルセットのファーストサーブの確率は70%に回復したものの、その入ったファーストサーブでのポイント獲得率は58%に留まり、
1stの入る確率が上がっても 錦織のプレーの回復の起点には成り得なかった。(連続ブレークダウソの嵐で 一方的に凹られた)

 さらに、錦織の武器のひとつである細かく素早いフットワークが影を潜め、初動が鈍いためポジションに入るのが1〜2歩遅れ、グランドストロークでのミスが早かった。
特に、一番の武器であるはずのフォアハンドストロークは、下半身のパワーを十分に生かしきれず、上半身だけの鈍いスィングになって、錦織らしからぬミス(UFE)が多発した。
錦織は、「風の影響」を指摘したが、そこまで強風ではなかったし、条件はラヨビッチも同じだった。(そもそも島から本土のスタジアム内に移転した今大会は風の影響は減った)

 錦織のプレーには躍動感が見られず、覇気もないまま、(言い訳ばかり口ずさむ)翼をもがれた鳥のようなプレーに終始した。

 正直に言えば、これほど悪いプレーの錦織をマイアミで見たのは初めてだ。これは、プロテニスプレーヤーなら誰もが通る道でもある
”年齢を重ねる中で、徐々に実力が落ちていく”過程なのだろうか。

 「29歳の錦織がその過程に足を踏み入れた」という判断を下すのには時期尚早で、もっと時間をかけて彼のプレーを見守らなければならない。
約11カ月のツアーを毎年戦う中で、(単に一時的に)調子の悪い時は必ずあるからだ。

 プロ選手なら、「何かしらポジティブなものを大会から持ち帰りたい」と思うのは当然で、基本的に前向きな錦織は、なおのことその傾向は強い。
ましてや「年齢からくる力の衰え」だとしたら、負けず嫌いな錦織は自分自身では認めたくないだろう。

 だが、ここは「テニスの調子が良いはずだ」と意固地になり過ぎずに、コーチたちと(何が原因か)きっちり話し合って練習を重ねながら、
4月から始まるヨーロッパでのクレーシーズンに向けて、(プレースタイルや戦術、そのためのコンディション作りや練習など) 軌道修正をすべきではないだろうか。

「やっていくしかないと思います。なかなか、ずっと調子を100%というのは難しいので、
まぁ珍しい2大会(インディアンウエルズとマイアミでの格下相手に内容的に完敗して大会序盤敗退)ではありましたけど、これを反省して、
次に向けてプラスにしていければなと思います」

 錦織の次戦は、4月中旬のMS・モンテカルロ大会。昨年は、準優勝を成し遂げたため、
ランキングポイント600点のディフェンドをしていかなければならない。早期敗退だと、大きくポイントロスをして 順位が一気に下がっていく。

「気持ちの面だったり、自信をつけてクレーコートシーズンに臨めれば。(3大会連続の早期敗退で疲れもなく) しっかり練習期間もあるので、まぁ大丈夫だと思います」

 ポジティブな姿勢を保とうとする錦織の言葉を信じたいところだが、トップ5に返り咲く目標を達成するには今がまさに正念場で、
ここをどう乗り越えるかによって、今後の錦織のキャリアにも影響を及ぼしていく