10年3億ドル契約 ユニクロ“大看板”にフェデラー抜擢の効果

 違和感があるのは当然だろう。ウィンブルドン選手権男子シングルス1回戦で、
セルビアのD・ラヨビッチ(28=同58位)にストレート勝ちしたR・フェデラー(36=世界ランク2位)のことだ。

 4大大会20勝(全豪6、全仏1、全英8、全米5)のフェデラーは、1994年から今年3月までナイキとスポンサー契約を結び、
ウエアの胸にあった例のロゴマークがファンの目には焼きついている。
それが今大会は、アンバサダー契約を結んだユニクロの赤いロゴが入った見慣れないウエアでプレー。
フェデラーは会見で「ユニクロのウエアを着るのを楽しみにしていた」と語っていたが、
今のところは「どうにもしっくりこない」というファンが少なくないようだ。

 ユニクロと契約しているテニス選手といえば、錦織圭(28=同28位)とN・ジョコビッチ(31=同21位)が有名だが、
ジョコは昨年、2012年からの5年契約が切れた。そこでユニクロは新たな「顔」として、史上最高のテニスプレーヤーであるフェデラーを口説いた。
米・ESPNなどの報道によれば、契約内容は10年3億ドル(約330億円)といわれている。

 ある広告関係者が言う。

「少々アクが強いジョコビッチは苦手だという人もいるが、慈善活動にも熱心なフェデラーは言動もプレーもスマート。誰からも愛されるキャラクターです。
ユニクロのウエアでプレーして、世界に与えるインパクトはジョコビッチ以上。今も衰え知らずでこの先も4大大会の優勝回数を伸ばすでしょう。
一方、これまでは大きかった国内の“錦織効果”に関しては疑問ですね」

 錦織がユニクロと契約したのは2011年。その後メキメキ腕を上げ、2014年には全米オープン準決勝でジョコビッチとのユニクロ対決を制し、準優勝。
「4大大会にいつ勝ってもおかしくない」と、テニスに興味がなかった人にも大きな期待を抱かせ、多くの人が錦織の試合を見てテニスのルールを覚えた。

「錦織は15年以降、世界の頂点に君臨していたジョコビッチと8度対戦。ジョコの棄権以外は全敗したが、ユニクロの宣伝効果は大きかった。
でも、昨年右手首を故障し、世界ランクも注目度もガクッと落ちた。今では錦織の試合を熱心に見るのはテニスファンしかいない」(前出の関係者)

 錦織は1回戦でセルビアのC・ハリソン(24=同198位)と対戦し3―1で下した。
今大会でフェデラーと、新たなユニクロ対決を実現させるには決勝まで勝ち上がらなければならない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180704-00000027-nkgendai-spo