マレー自身も、こう告白しているからな

「自分の持ち味はスピードで、レンドルにもそれを評価されてコーチングしてもらったずだった。
でもフェデラー、ナダル、ジョコビッチに比べると、ウィナーを獲ったと思ったら長い手が出てきて打ち返され、
逆にカウンターショットを決められてしまう。それで悩んでしまった。”他のプレーヤーと違うな”“スピードが通用しないな”と
自分の能力を疑ってしまった。プレイのキレの良さが自分の長所なのに、
”フィジカルで負けているから強い体を作ろう”とか、結局は良さを消してしまった」

彼は口の端を歪(ゆが)ませ、一つため息を洩らした。

「タイムマシンであの時の自分に会えたら?
『自分を信じろ。それがベストだぞ』って忠告してやりますよ。
できないことを必死でしようとしていたから…… 」