本当だよ。

その日、埼玉県・西川口のフーゾク街は“本番”&激安の「西川口流」サービスを楽しもうとするサラリーマンや学生たちで賑わっていた。
その人々の群に、アテネ五輪競泳・背泳ぎ100mの銅メダリスト、森田智己(20)が混じっていた。
日本競泳界のホープがなぜ、埼玉随一のフーゾクエリアにいたかといえば、
9月11〜14日まで川口総合体育館で国体競技が行われていたためだ。
フーゾクに行くこと自体は、責められることではない。ただ、彼はこの街であるトラブルを起こしてしまった。

「私はあの男に、ムリヤリ関係を持たされました。アイツはサイテーです」

西川口のフーゾク店で働くA子さん(18)が小ぶりな唇を震わせた。
キレイな黒髪、シックな服装が似合う清楚な女性だ。彼女が“事件”を振り返る──。
「森田がお店に来たのは9月12日の午後5時ころ。彼が選んだのは60分のコスプレコースで、
私の友人のB子(18)がスッチーの格好をして接客しました」シャワーを浴びる前、彼はこう切り出したという。
「オレ、森田っていうんだ、五輪出たんだけど、知ってる?」かぶりを振るB子さん。
彼女が“超有名人”である北島康介選手の名を出すと森田は寂しそうにこう呟いた。

「誘ったけど康ちゃんは来なかった。アイツは高いトコしか行かないから」

プレイ後、B子さんが、「有名人なら、彼氏になってくださいよ」というと森田は大喜び。
その場でメールアドレスや携帯の番号を交換して、仕事後に会う約束をした。
実家住まいのB子さんは、店の寮に住むA子さんの部屋に森田を連れて来たという。

「最初は3人でテレビを見たりしてたんですけど、森田とB子が私の前でイチャつきだしたんです。
『4年後の北京五輪で金を獲ったらオマエを養う。フェラーリ貰えることになってるし』
なんていいながらキスしたり、下着の中に手を突っ込んだり。『やめてよ』といったら、やっと、静かになった」(A子さん)

別れ際、森田は二人を国体に誘った。
「14日が決勝だったので、B子と見に行ったら飛び抜けて速くて(森田は大会新記録で優勝)、『メダリストは違うな』と思った。
声をかけようと思ったんだけど、ファンが群がっていたから、B子が『後でね』とメールした。
そしたら、『わかったよ★』って返ってきた」(A子さん)
会場を出た彼女らは、森田の待つ居酒屋で合流。その後、彼の後輩という男性も一緒にカラオケボックスへ行った。
「歌はビックリするくらい上手くて、福山雅治の『桜坂』なんて低く渋い声でした。
ただ、彼のトークは『オレのテレビ出演料は45万円だぜ』『テレビで“ラムネが好き”といったら箱で届いた』なんて自慢話ばかり。
途中からはB子に迫り、キスして、ブラまで外しだしました」(A子さん)
その後、一行は森田が宿泊しているホテルへ移動。彼は銅メダルや、デジカメで撮った北島選手の全裸写真を見せるなどして場を盛り上げた。
しかし、ほどなくして、森田はB子さんとのイチャイチャを再開する。A子さんはいったん、森田の後輩が泊まる部屋に避難。
しばらくして彼女が後輩と森田の部屋を覗くと、バスタオル一丁の彼が、突如、「野球拳」を彼女たちに強要してきたという。
“事件”が起きたのは、この後だ。A子さんの語気が強まる。

「森田は私が負けると、いきなり襲いかかってきました。タンクトップをはいで、ジーパンを力ずくで下ろし、キスしてきたんです。
泣きながら抵抗したんですけど、強引に関係を結ばされました。
しかも、その最中に彼は後輩に『オマエもやれよ』と、同じベッドでB子とSEXをするよう命令したんです。
終わったあと、森田は、『オレの腰使いは世界一。バサロの腰だぜ。何回イッた?』とタバコをふかしながら笑っていたんです。
アイツは最低です。この件で、B子との仲までギクシャクしてしまいました……」

レイプまがいに4Pを強要──事実だとすれば大変な犯罪だ。本人を直撃した。
──当時の状況は覚えてますか?
「全然……。ただ、彼女たちの名前は覚えてます。大会(国体)中に2回くらい会いました。ホテルでも会いました」
──A子さんはあなたに「レイプされた」といってますが?
「(関係は)ありました。でも、無理やりとかはないです。軽率でした……」
森田は事実関係については大筋で認め、肩を落としたのであった。

若気の至りとはいえ、ハメを外し過ぎて色あせてしまった銅メダルの輝き。名誉回復には、北京で金を獲るしかない。