春場所後、勝南桜と対戦したある力士に聞くと「すごいプレッシャーでした。絶対に負けちゃいけないので」と打ち明けた。その力士の師匠も「そりゃあ、プレッシャーですよ。負けたらヤフーニュースになってしまいます。相撲に絶対はありませんから」と話していた。意外な事実だった。
確かに、相撲に絶対はない。力の差があっても、実力上位が足を滑らせることもある。何が起きるか分からない。90連敗と言っても、その一番一番をよく見ると、かなり善戦している取組もあるのだ。
勝南桜は2015年九州場所で序ノ口デビュー以来、3勝224敗1休。最長の連敗記録を現在継続中で、次の白星は、これまでの3勝以上に注目されるだろう。
ここで思い出すのは、二子山親方(元大関雅山)の行動だ。以前、二子山部屋の力士が服部桜(現在の勝南桜)に負けた。二子山親方がまずやったことは、弟子をしかることではない。ほかの兄弟子らに連絡を入れ、こう言った。
「いいか、絶対にバカにしちゃだめだぞ。服部桜だって一生懸命稽古して、強くなっているんだ」

都合いいところだけ抜き出してんな