◇決め手になったブーメラン
しかし、親方衆の怒りは収まらない。
会場のあちこちで親方衆がせきを切ったようにぶちまけた。
複数の理事は「(役員以外の)年寄たちの方が激しい。俺たちが抑えているくらいだ」と明かす。
元日馬富士の事件では被害者の師匠だけあって、親方衆の中には、相撲協会の報告と貴乃花親方の反論のどちらが正しいのかと、
中立的に疑問を抱く向きもあった。誰もがサジを投げるようになったのは、その後だ。
2月初めの理事候補選挙で落選して以来、まだ役員待遇の身で出席義務のある理事会、年寄総会などの会議を欠席。
暴力再発防止のための研修会は弟子まで欠席させた。
その上、内閣府への告発状、春場所開幕当初の欠勤と続いて、かばいようがなくなった。
さらにそこへ起きた貴公俊の暴力沙汰。元日馬富士の事件で暴力追放を叫びながら、師弟で研修会を欠席した後だけに、
大きなブーメランが返って来た形となったが、その対応も火に油を注いだ。
かつて二所ノ関一門で一緒だった親方は「警察に届けるんじゃないのか。本人同士で和解させちゃいけないんじゃないのか。
日馬富士と貴ノ岩だって翌日、握手したんだろう」と吐き捨てる。