日本相撲協会は10月31日に予定されている新弟子検査の受検者を24日15時に締め切り、
先日行われた福井国体で三段目付出資格を得た片村敬也(和歌山県庁)ら11人が受験すると発表した。
受験者は以下の通り。

片村敬也(23)=兵庫・木瀬
石崎涼馬(18)=大阪・高砂
那須大夢(17)=福岡・浅香山
浅川彰平(17)=茨城・境川
鈴木優斗(18)=静岡・春日野
土庄 陸(16)=佐賀・春日野
陳 太陽(18)=東京・佐渡ケ嶽
村上 成(20)=東京・峰崎
久保田創真(19)=長崎・境川
伝法谷洋匡(18)=青森・伊勢ケ浜
嘉手納幹生(17)=沖縄・九重
貝塚幸太朗(16)=大阪・追手風

◇・・・日本最南端の村から久々の力士が誕生する。村上 成(むらかみ・しげる)は本土から遠く離れた東京都小笠原村出身。
釣りが趣味という村上は高校時代、自然保護研究会で小笠原諸島に生息する珍しい生き物や植物と触れ合い、卒業後も島内の環境事務所で事務員として働いていた変わり種。
転機が訪れたのは祖父の古希祝いで初めて本州の土を踏んだ1月の事だ。相撲好きの祖父・幸助さんに生の大相撲を楽しんでもらいたいと密かに計画した旅行プランで、
183センチ99キロの体躯が峰崎親方(元前頭・三杉磯)の目に留まった。
「(親方に)小笠原に行くから連絡先教えて、と。何かの冗談かと思った」
場所後の2月に本当に峰崎親方がやってきた。小笠原村の自宅で一泊した峰崎親方はその夜、熱心に村上を口説き、両親も「若いうちしかできないんだから」と背中を押して気持ちは徐々に角界へと傾いていったと言う。
中でも最も喜んでくれたのはやはり祖父の幸助さんだった。
「初めて本州に行ってそこで運命的な出会いがあった。この出会いに感謝しなきゃいかん、と熱弁されました」と村上は苦笑いする。
抱えていた仕事の引き継ぎを終え、9月には母校・小笠原高校で村民挙げての壮行会が行われた。
「是非、関取に昇進して小笠原の名を相撲界に轟かせてほしい」と森下一男村長は期待する。
大自然を遊び場にしてきた野生児が大相撲の土俵で大暴れしそうだ。

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