被害者である貴ノ岩も暴力を振るっていた。
関係者によると事件が起きたのは夏巡業中で、
殴られたのは別の部屋の幕下以下の力士。

宿舎の風呂場の湯が出なかったため、貴ノ岩は確認を命じたが、
報告が十分に伝わらずに激高。顔面を数発殴り、膝蹴りしたという。
この場面を多くの力士が目撃していたという。

暴力行為は許されることではないが、殴った相手が同郷の先輩の関取ということで、大事にせず被害届など表立った行動は起こすつもりはないと言う。
しかしその後、この件が日馬富士に伝わり、度を越した貴ノ岩の行為をいさめる必要があると考えていたという。

今回の日馬富士の暴行事件の背景には、思い上がった後輩の態度を許せないと判断した横綱の“制裁”の意味もあったと指摘する声もある。
結果として暴行は明るみに出て、日本中の注目の中で任意とはいえ警察の聴取を受ける段階にまで発展した。

力士の模範であるべき横綱が、暴力の連鎖で相手を負傷させた事実は決して許されるものではない。殴打に訴えず、番付最高位の立場と説得力ある言葉で後輩力士の言動をいさめれば、違う結果になっていたのかもしれない。