https://www.nikkansports.com/battle/column/sumo/news/1877188.html
 前年のオヤジの誕生日。祝いの席に顔を出したときに、こう言われた。
「お前は相撲取りをやめた中で一番出世なんだから、あいさつせい!」。
 「そう言ってもらえたのは、本当にうれしかった。北海道に来ると、
連絡もなしに突然、会社に来るんです。酔っぱらって電話が来たことも2回あります。
オヤジは、せっけん1つ買うことにも領収書にうるさい人でした。
10円、20円をしっかり削ろうとする。飲みでは10万、20万円を使うんですけどね。
でも、そこは付け人として本当に教えられました」
 数年後、大鵬部屋に税務署の調査が入ったことがあった。
そのとき“何も”取られなかった。それは、とても珍しいことだという。
それだけ、キチッとしていたのが大鵬親方。
そのオヤジの教えは、今の紺野さんの商売につながっている。
 「すべてが、オヤジに教えられたこと。本当にデカイです」。
 「大鵬」の教えは今も、さまざまなところで引き継がれていた。