川で溺れた母子3人 元力士が「土俵際」で救助
2016年08月03日 10時40分

佐賀市大和町の「道の駅大和そよかぜ館」のそばを流れる嘉瀬川で7月初め、
溺れていた女性と幼児2人を会社員川崎大輔さん(39)=佐賀市川副町=が救助した。
川崎さんは大相撲の元力士。流される3人を抱きかかえたまま“土俵際”で食い止め、無事に助け出した。

川崎さんは7月3日、勤務する戸上コントロール(佐賀市)の同僚とその家族の約20人で
そよかぜ館へバーベキューに出掛けた。食事前の正午すぎ、川に流された6歳と3歳の男児2人と
その母親の30代女性を発見。服を着たまま飛び込んで3人を両腕の中に抱き込んだもの、
深場で20メートルほど流された。足が川底に届くと急な水の流れを受けながら
右足で踏ん張って立ち止まり、3人を抱きかかえて自力で川から引き上げた。

川崎さんは白石中を卒業後、相撲部屋に入門。
「成剛」のしこ名で1999年に三段目に昇進するなど25歳まで約10年間活躍した。
数々の体の大きな力士とぶつかり合ってきたが、
「3人を抱えて受ける川の流れは現役の時にも経験のない強さだった」という。

救助された3人は救急搬送も必要なく、川崎さんは子どもの家族から感謝の言葉を受けた。
川崎さんは「無我夢中だったが、無事で何より。川の中で2人の子どもを助けようと
必死になった母親の表情を見て、自分も普段出せない力が振り絞れた」と振り返る。

「救助できたから笑って話ができるけど、助けた時を思い出すと命に関わる水難事故の恐ろしさも痛感する」
と川崎さん。佐賀広域消防局は今月下旬、川崎さんと今回の救助に協力した
佐賀市川副町の原口圭太さん(28)の2人を表彰する。

佐賀新聞
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/340476
川に溺れた女性と子ども2人を救助した元力士の川ア大輔さん=佐賀市
http://www.saga-s.co.jp/images/article/2016/08/03/SAG2016080399000017_id1_20160803094517.jpg