読み切りエロ漫画『ビデオガール』(ジャンプの『電影少女』ではない)。
作者は「不可川えむ」。単行本は出しておらず、電子で読める。

主人公である若い男が、夜中にパソコンでエロ動画を見ているところから始まる。
廃刊寸前の都市伝説雑誌に紹介されていた「ヤバい動画が投稿されてるサイト」を閲覧してみたのだが、投稿されてるのはAVの違法アップロードされた動画ばかり。
「何がヤバいサイトだよ、つまんねー」と悪態をつきながら閉じようとした直前に、新しい動画が何者かから投稿された。白いサマードレスを着た美少女が微笑んでいるサムネで、露骨なエロサムネばかりの中では浮いていた。
「どうせ清楚系AVだろ」と思いながらも再生してみたが…サムネの通り、サマードレスの美少女が海辺をニコニコと走り回っており、一昔前のアイドルのPVのようだ。
「ホームビデオでも間違って投稿したのか?」と思っていると…突然画面が変わった。壁にヒビの入っている古い家の屋内で、先ほどの少女が高校の制服姿でカメラに語りかけている。
「ちゃんと撮れてるかな?こんにちはユキコです。さっきのドレスは『おともだち』に買ってもらったの。紹介するね。『おともだち』の、  くん(名前は空白)。そして撮影役の、  くん」
「なんだよこれ…」と呟く主人公。動画では、ユキコが『おともだち』の2人(顔は写ってない)と3Pを始め、中出しをされる。
そして再びユキコがアップになり「お母さん、お父さん、私はここで幸せに」(ここでブツッと映像が終わる)

「こ、凝った作りのAVだなあ…」と自分に言い聞かせながら、コンビニへ夜食を買いに出かける主人公。その途中で交番の前を通り過ぎるが、行方不明の貼り紙があることには気付かなかった。
「〇〇ユキコ 平成元年、下校途中で失踪。情報をお寄せください」

この漫画が描かれたのは令和元年なので、30年前の失踪ってことだ。いまだ見付かってないという事は、普通に考えたら殺されているんだろう。
しかし犯人も彼女を拉致っておきながらサマードレスを買い与えて海で走り回らせたり、なにがなんだか分からない。
絵のヘタウマさ加減も手伝って、なんとも不気味な印象を残す漫画だった。

なお作者は現在消息不明だ。ツイッターで何やらヤバいことを言っていたらしいが、この漫画を最後に(少なくともこの名義では)活動していないようだ…。