「江戸四大名物食」を登場した順にお伝えすれば、そば、うなぎ、天ぷら、鮨でして、これは、江戸時代後期に入り経済事情が安定したことから美食ブームがはじまり、今日まで連なる日本料理の基礎が出来上がります。
この「江戸四大名物食」が人気を博した背景には、醤油味の改変と流通革命がありました。
関ヶ原の戦い以降、江戸の人口が増して急激に発展する際、上方の「下り醤油」と呼ばれる堺や大阪から運ばれてくる醤油が大半でしたが、次第に千葉県を中心に関東の醤油の質が向上し、江戸川や利根川を使った水運がひらけたことにより、上質な醤油が近郊から江戸に届くようになりました。
このなかから、江戸の人たちに好まれた「濃口醤油」が広く一般化し、江戸の食が完成していきます。
また、食材も水路から運び込まれました。
つまり、「なかなか触れられない江戸の文化の名残りや、日本の歴史の蓄積を感じるような楽しみ方」は、この水路にそって古くからある店を訪ね歩くのが、スタートです。
ぜひ、古地図を持って散策ください。
少しマイナーですが、「どぜう鍋(どじょうなべ)」も、お忘れなく。

「高城剛 高城未来研所 Future Report Vol.501/Part2」