昨日、コンビニで「週刊現代」を立ち読みした。
私は週刊誌に限らず、雑誌を見るときには広告営業時代のクセで、どうしても先に広告に目がいってしまう。
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そんななか、目についたのが「浅草キッドが行った!見た!聞いた!! 原子力発電所最前線」と題された
東京電力のカラー3ページのタイアップ広告で、内容は浅草キッドの二人が柏崎原発を見学に行って
所長と対談するというものだった。しかも2号連続企画とのことである。
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私の感覚では「浅草キッド」というのは尖ったところのある芸人だけに、
通常の広告に起用する場合はリスクが大きい部類のタレントに入ると思う。
ただ、このケースではテーマが原発であるので、逆に「こういうタレントでも原発推進派なのか」と
読者にアピールすることができ、「浅草キッド」が持つ広告面でのネガティブなイメージを
逆手に取ることに成功している。実際、タイアップの誌面ではスーツを着込んでかしこまった二人が、
柏崎原発の所長を相手にヨイショをしまくっており、また水道橋博士は
「ボクは原発については危険だと思っていたけど、今日見て安心しました、、、」というようなことも言っていて、
クライアント的には満足できる内容だろう。
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週刊現代は出版不況のなかで、ここ数年、非常に部数を伸ばしたのだが、
その一つの大きな要因は激しい小沢バッシング、あるいは鳩山政権バッシングだった。
もちろん他誌も同様だったが、なかでも週刊現代の叩き方には迫力があった。
私はその内容には同意しかねるが、しかしとにもかくにもそれで部数を上げたこと自体は大したものだと思う。
しかし、そのように激しく政権を叩く週刊現代も、こと原子力発電についてはもはや何も書けない。
電力会社がどんなにデタラメをやろうとも、ひたすらスルーするか、
あるいは電力会社の言い分をそのまま載せるかのどちらかしかできないだろう。
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電力会社にしてみれば、雑誌(テレビ、新聞、ラジオも同様だが)に定価で広告を出しても(そのような
クライアントは、もはやあまりいない)、その見返りとして自分たちを批判する勢力を押さえ込むことができ、
事故や不祥事が起きた時にも報道を都合のいいようにコントロールできるのならば、これはお安い投資といえるだろう。
しかも、浅草キッドのような、ちょっと危ない芸人も、
こういう形でお金を渡せば、原発をネガティブなネタに使うことは絶対にないし、
他の芸人も「ああいう仕事もあるのか、、、」と意識するかもしれない。
一石二鳥とはこのことだ。

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