日本電産EV事業に暗雲!トヨタ・ホンダら競合猛追で「永守流待ち伏せ戦法」封じ込めの危機

まず生産台数では、23年度に約120万台、25年度に約400万台の実現が可能としている。ちなみに、19年4月に電動アクスル事業に参入して以降3年半で、採用車種の販売台数がようやく累計約55万台に達したところだ。それを来期は年間120万台を量産する規模へ引き上げというから
増産計画は極めて野心的である。

次に、コスト削減の見通しが立ったことだ。この9月から第2世代の電動アクスルを投入。この新製品は重希土類フリーとするなど原材料費を徹底的に削ることに成功した。電動アクスルを売れば売るほど赤字幅が拡大していたステージからようやく脱却できる見通しが立ったのだ。利益率の上昇が期待できることから
電動アクスル事業の累損解消は26年3月期に迫っている。

だが、日本電産の車載事業がこれで安泰かといえばそうではない。これまで小型モーターなどの領域で成功を収めてきた“永守流の成功メソッド”が車載事業で通用するかどうかは未知数だからだ。