米株の強気相場は「始まったばかり」−S&P500さらに26%上昇も

米国株のバリュエーションは高いものの、バブル気味の市場を敬遠するよりもこれから参入する投資家が多そうだ。
2020年3月に始まった今回の強気相場で、投資家のリスク意欲の回復が遅かったためだ。

投資家が保有する株式と債券・現金を比較したJPモルガン・チェースのモデルによると、
現在の株式エクスポージャーが前回の強気相場のピーク時と同水準に達するにはS&P500種株価指数が26%上昇する必要がある。

ニコラオス・パニギリツオグル氏らストラテジストが開発したモデルによると、現在の株式エクスポージャーは43.8%で、
相場が前回ピークに達した2018年1月の47.6%に届いていない。

07−09年の金融危機前のピークである50%、インターネットバブル時期の55%付近からはさらに遠い。
「今回の強気相場にはまだ上昇余地がある」とパニギリツオグル氏は述べた。

ロイトホルト・グループの主任投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は、
「強気相場は始まったばかりだ」と言う。「1年にもなっておらず、米国の生産ギャップの大きさと失業率の高さを考えれば、
景気の一段の回復がさらに数年は株式相場を上昇させるはずだ」と同氏は述べた。

10カ月で70%の相場上昇でS&P500種の株価収益率はインターネットバブル期以来の高さとなっているが、
ポールセン氏を含む強気派は、1992年と02、09年のリセッション(景気後退)後の成長回復期に株価収益率は低下し相場上昇は続いたと指摘する。

実際、バリュエーションに関する株価への逆風は弱まる見込みだ。S&P500種構成企業の今年と来年の利益は2桁台の伸びが予想されている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-17/QN26Q2T0AFB401