電気自動車(EV)メーカーの米テスラの株価は、環境に優しいエコカーに対する中国での需要急増を背景に、強気シナリオでは1250ドルに達する可能性がある。ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏が14日付のリポートで明らかにした。

  アイブス氏はEV需要増加を反映し、テスラの目標株価を751ドルから950ドルに上方修正した。テスラ株は昨年743%上昇し、現在は845ドル。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は現在、世界一の資産家だ。

世界一の資産家になったマスク氏、中国とは相思相愛−今のところ

  アイブス氏は「テスラの強気論は中国が要だ。『モデル3』だけでなく、蔚来汽車(NIO)や小鵬汽車、理想汽車など国内EVメーカーの製品に対しても消費者の需要は急増している」と指摘。「そのため、当社は見通しを大幅に上方修正した。テスラの納車台数は2022年に100万台を超え、この20年代終わりまでに年間500万台に近づき始める可能性があると見込む」と指摘した。

  テスラは約1年前に開設した上海工場での生産を追い風に、昨年は中国の月間高級EV販売で繰り返し首位に立った。同社はまた、現地生産のスポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルY」を33万9900人民元(約545万円)で販売開始している。

  アイブス氏は世界の自動車販売におけるEVのシェアが現在の約3%から年末までに5%に達し、25年までには10%に上る可能性があると予測。22年までにはテスラの売り上げに占める中国の割合は40%程度になると予想する。

  バイデン米政権の発足もテスラに追い風で、民主党の上院支配が全てのセクターに予期せぬ影響を幅広く及ぼすと予想。国内の二酸化炭素排出量削減が短期的にEVに劇的な影響をもたらし得ると説明した。